0歳児保育

乳児期の発達については、視覚、聴覚などの感覚や、座る、はう、歩くなどの運動機能が著しく発達し、特定の大人との応答的な関わりを通じて、情緒的な絆が形成されるといった特徴がある。これらの発達の特徴を踏まえて、乳児保育は、愛情豊かに、応答的に行う。

健やかに伸び伸びと育つ

健康な心と体を育て、自ら健康で安全な生活をつくり出す力の基盤を培う。

  1. 身体感覚が育ち、快適な環境に心地よさを感じる。
  2. 伸び伸びと体を動かし、はう、歩くなどの運動をしようとする。
  3. 食事、睡眠等の生活のリズムの感覚が芽生える。
「まてまてー」
パンダさんといっしょに
「おいしいね♪」

身近な人と気持ちが通じ合う

受容的・応答的な関わりの下で、何かを伝えようとする意欲や身近な大人との信頼関係を育て、人と関わる力の基盤を培う。

  1. 安心できる関係の下で、身近な人と共に過ごす喜びを感じる。
  2. 体の動きや表情、発声等により、保育士等と気持ちを通わせようとする。
  3. 身近な人と親しみ、関わりを深め、愛情や信頼感が芽生える。
「つぎはなに?」
「いないいないばぁ!」
「葉っぱ落ちちゃったね」

身近なものと関わり感性が育つ

身近な環境に興味や好奇心をもって関わり、感じたことや考えたことを表現する力の基盤を培う。

  1. 身の回りのものに親しみ、様々なものに興味や関心をもつ。
  2. 見る、触れる、探索するなど、身近な環境に自分から関わろうとする。
  3. 身体の諸感覚による認識が豊かになり、表情や手足、体の動き等で表現する。
「ぬぎぬぎするよ」
「これわたし⁉」
「ぐちゅっとしたらいい匂い」

1歳以上3歳未満児の保育

健 康

健康な心と体を育て、自ら健康で安全な生活をつくり出す力を養う。

  1. 明るく伸び伸びと生活し、自分から体を動かすことを楽しむ。
  2. 自分の体を十分に動かし、様々な動きをしようとする。
  3. 健康、安全な生活に必要な習慣に気付き、自分でしてみようとする気持ちが育つ。
「負けないぞ!」
「上手にはける?」
「触れないようにすすむよ!」

人間関係

他の人々と親しみ、支え合って生活するために、自立心を育て、人と関わる力を養う。

  1. 保育所での生活を楽しみ、身近な人と関わる心地よさを感じる。
  2. 周囲の子ども等への興味や関心が高まり、関わりをもとうとする。
  3. 保育所の生活の仕方に慣れ、きまりの大切さに気付く。
「こうするのよ」
「おねえちゃんとタッチ」
「おんなじ絵本読もうっと」
「あっぷっぷぅー!」

環 境

周囲の様々な環境に好奇心や探究心をもって関わり、それらを生活に取り入れていこうとする力を養う。

  1. 身近な環境に親しみ、触れ合う中で、様々なものに興味や関心をもつ。
  2. 様々なものに関わる中で、発見を楽しんだり、考えたりしようとする。
  3. 見る、聞く、触るなどの経験を通して、感覚の働きを豊かにする。
「きれいにするよ!」
「それー!」
「迷路探検!」
「スイカの影にタッチ」

言 葉

経験したことや考えたことなどを自分なりの言葉で表現し、相手の話す言葉を聞こうとする意欲や態度を育て、言葉に対する感覚や言葉で表現する力を養う。

  1. 言葉遊びや言葉で表現する楽しさを感じる。
  2. 人の言葉や話などを聞き、自分でも思ったことを伝えようとする。
  3. 絵本や物語等に親しむとともに、言葉のやり取りを通じて身近な人と気持ちを通わせる。
「お花にとまった」
「そしてげつようび〜♪」
「でろでろつのでろニョキ!」

表 現

感じたことや考えたことを自分なりに表現することを通して、豊かな感性や表現する力を養い、創造性を豊かにする。

  1. 身体の諸感覚の経験を豊かにし、様々な感覚を味わう。
  2. 感じたことや考えたことなどを自分なりに表現しようとする。
  3. 生活や遊びの様々な体験を通して、イメージや感性が豊かになる。
  4. 身近な自然や身の回りの事物に関わる中で、発見や心が動く経験が得られるよう、諸感覚を働かせることを楽しむ遊びや素材を用意するなど保育の環境を整えること。
集中!
「これなーんだ!」
「鉄橋通りまーす!」
[ダイナミックに描いちゃおう!」

保育全般に関わる配慮事項

  1. 子どもの心身の発達及び活動の実態などの個人差を踏まえるとともに、一人一人の子どもの気持ちを受け止め、援助すること。
  2. 子どもの健康は、生理的・身体的な育ちとともに、自主性や社会性、豊かな感性の育ちとがあいまってもたらされることに留意すること。
  3. 子どもが自ら周囲に働きかけ、試行錯誤しつつ自分の力で行う活動を見守りながら、適切に援助すること。
  4. 子どもの入所時の保育に当たっては、できるだけ個別的に対応し、子どもが安定感を得て、次第に保育所の生活になじんでいくようにするとともに、既に入所している子どもに不安や動揺を与えないようにすること。
  5. 子どもの国籍や文化の違いを認め、互いに尊重する心を育てるようにすること。
  6. 子どもの性差や個人差にも留意しつつ、性別などによる固定的な意識を植え付けることがないようにすること。